この実践編は
Vol.1を踏まえての内容となっている為、
まだVol.1をご覧になっていない方は、
まずはVol.1をご覧ください。
今日も「あなただけ」を見つけていきましょう!
美味しいコーヒーとは
どんなもの?
素晴らしいコーヒーとはどんなもの?
⁼質問⁼
皆さんは日常生活の中で、
1杯のコーヒーを「おいしい」と
感じた事はありますか?
なぜ、
そのコーヒーをおいしいと感じたのでしょうか?
少し振り返ってみましょう。
誰かと一緒に味わっていましたか?
何か食べながら飲んでいましたか?
時間帯は?商品情報を読んでいましたか?
振り返る際
「●●だから、おいしかったと思う」な
イメージで構いません。
それが現在の、
あなたの「おいしい」コーヒーの考え方です。
もしくは
素晴らしいコーヒーとは?という質問の答えも、
同様、それがあなたにとっての
素晴らしいコーヒーへの考え方です
しかし、
一方であなたとは異なる考えがあったとしたら、
それは
「おいしくない」
「素晴らしくない」コーヒーになるのでしょうか?
味わい、感じたことを
アウトプットする
その昔、あるソムリエさんから
フランスで修業をしている時の話を
伺ったことがあります。
夜な夜な、
一杯のワインをテイスティングしながら、
感じた事を出し合う、と。
日本人の彼は、そのやり方に驚いたそうです。
(ソムリエの方々の会話の引き出しの多さを考えると納得せざるを得ませんが)
そして、海外の方が、
自分の意見を大事に、
主張する姿に感銘をうけたと。
ある意味、ワインで学ぶアート思考なるものが、
展開されていたのでしょう。
自分の感覚・意識を集中し、
味わう(テイスティング)ことは、
「自分なりの考え」をまとめ、
また取り戻す為にとても大切なことです。
しかし現在は
例えば、商品情報に
「チョコレートやナッツを思わせる香り」と書いてあれば、
その情報だけですぐに
=「答え」をみつけた!と
してしまう人がほとんどです
そんな時には、
是非自分の感覚をアウトプットしてみましょう。
感じたこと、紙に書いたり、口に出してみる。
私はSNSを活用して、
表現を映し出すことにしています。
また数名と一緒にアウトプットを出し合うと、
更に面白く、自分の世界には感じられない
新たな気づきもあり、
自身のアート思考の質を高める事につながります。
一杯のコーヒーに、
チョコレートやナッツ以外の香りが
感じられるかもしれません。
もしくは、
風景や色合いも頭に
フラッシュしてくるかもしれません。
目に映る情報から自分を解放する
商品情報のそれが、
そのコーヒーの本質とは限らない。
ここで誤解のないように書くと、
商品情報が間違っている、
という事ではありません。
今回のテーマである
「アート思考」を高めていくのには、
その目に映る情報に留まるのではなく、
自分の感覚を研ぎ澄ませ、
意見をまとめ、香りや味わいを「探求」し、
アウトプットしていく事が、
思考の質を高めるにつながる、という事です。
数学のように答えを求めるのではなく、
一杯のコーヒーを通して、
様々な答えがでて、変わっていく事。
これこその意味があるのです。
現実と非現実を見つめるとそのコーヒーは
「深くなる」
コーヒーでいう現実的なものといえば、
その香りや味わいでしょう。
また生産者の話や想いもここに入ります。
対して非現実とは何か?
香りや味わった際に生まれてくる、
あなただけの感覚といったほうが早いでしょうか。
色、形、風景、音楽、動物、天気、数字、美術、人・・・・
香りや味わいに紐づいて、
あなただけに落ちてくる物語が必ずあります。
はじめは難しいかもしれませんが、
Vol.1で書いたように、
アーティストになった気持ちで考えたり、
またアウトプットする大切さを考えてみると、
何かしら言葉が見つかるはずです。
恥ずかしいことはありません。
例えば、
下記は、いちごを思わせる味わいから初恋や、
結婚式がフラッシュしてきた内容です。
↓
『甘い記憶』
いちご味ビスコの香りがする。
サクサクっと音を奏でながら口の中で踊り、
甘やかな香りとそのクリームの甘さで
安心感を覚える。
時折感じる、いちごの甘酸っぱさが、
懐かしく、切なく、
でも変わる事ない温かな初恋の人を思い出させる。
香りはおいしさを裏切らない。
そのショートブレッドといちごクリームは
結婚式のマリアージュを彷彿とさせ、
変わらない日常の幸せへと引き戻す。
温かなベッドの中で夢うつつな気分。
そんな中で鳥の声を聞くのは心地が良い。
いつしか、
この記憶も同じように綴られていくのだろうか?
心をキレイにしてくれるような、
優しい気持ちにさせてくれるコーヒーでした。
温かみを感じる味わいから、
暖炉やチェア、
自然美がフラッシュしてきた例です。
どこか揺蕩う様な揺らぎ。
暖炉の前、薪が音をたてて弾ける様な。
ぎしぎしと音をたてながら動く
古いロッキングチェア。
自然の揺らぎと音に
身をまかせているような味わい。
....しみじみとうまい。
ローストカシューナッツ、カカオニブ、
松ぼっくり、ブラウンシュガー、
春の苦味を思わせる後味。
焦がしキャラメルな風味。
ゆっくりと
小さな幸せを見つけながら歩みましょう。
コーヒーで学ぶアート
思考には2種類ある
1つは、
そのコーヒーを栽培した生産者の想いです。
こういう味わいのコーヒーを作りたい、
そしてその理由
実際の味わい詳細etc
これらはそのコーヒーのHPや
商品に付随する商品情報で
手にいれる事が出来るでしょう。
もう1種類は、あなたが見つめた非現実部分。
感覚で出した、フラッシュしたその言葉、
内容は必ずしも、
生産者の想いと合致するとは限りません。
ただいずれも間違いではありません。
こういった一杯を通したやりとりことが、
このコーヒーで学ぶアート思考の楽しみであり、
どちらも価値があるものです。
ここは私の意見ですが、
コーヒーは、
その生産者の想いで作られるものではなく、
味わったその人が
新しい世界をプラスする事で
完成するのではないか?と思います。
常識なんて無い
ルールなんて無い
仕事柄、コーヒーやワイン、
日本酒をテイスティングし、
その内容を文字におこしていく事をしますが、
表現することへの常識やルールはあるのか?と
質問を受けることがあります。
私の回答は
「常識はない、ルールもない」です
表現することへの常識やルールが
存在するとしたら、
今の世の中にあるすべての商品、
建築物、美術品、文化・・・
これら全て生まれてきていません。
常識やルールが存在するとしたら、
どれほど面白くない世界に
なっていたのでしょうか?
恐ろしいです。
このコーヒーで学ぶアート思考は
コーヒーの知識を学ぶものではなく、
また教養を広げる意味でもなく
自身の想像力を広げる事です。
今回Vol.1,2を通して、
「自分の物の見方」や「自分の考え」を
生み出すという行為がどういうことなのか?
その体験を少しでも
実感をして頂けたら嬉しいです。
このアート思考の考えは、
コーヒーだけでなく、
ワイン、日本酒のその他の飲み物、
また食べもの・・・カテゴリーに偏らず、
全てに活用できます。
普段何気なく過ごしている中で、
意識していなかったなと感じることが
沢山あると思います。
その時は是非、
意識をもってこのアート思考を
活用してみて下さい。
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